傘の色はシンプルでベーシックなもの

ビジネスシーンでは派手な色や柄物の傘は避け、シンプルで落ち着いた色合いを選ぶのが基本です。とくに男性の場合は、黒・紺・グレーなどの定番カラーが無難で、違和感なくスーツにもなじみます。女性の場合はベージュやネイビー、落ち着いたワンポイントカラーが入った傘も許容範囲とされています。

傘の種類は長傘がおすすめ

ビニール傘は手軽ではありますが、「天気を確認せず出てきた人」「準備不足」と見なされることもあるため、基本的には避けるのが好ましいです。突然の雨などやむを得ない場合を除き、しっかりした長傘を持参するのが理想といえます。ただし、長距離の移動がある場合は、荷物になりにくい折りたたみ傘も検討しましょう。

傘を開くときと閉じるとき

混雑した駅前やビルの入口では、傘の開閉で周囲に迷惑をかけることも少なくありません。開くときは傘の先端を人のいない方向に向け、斜め下に構えてゆっくり開くのが基本です。ジャンプ傘も人にぶつかる恐れがあるため、勢いを抑えて開きましょう。閉じるときは、少しすぼめてから斜め下に下ろし、ゆっくり閉じると水滴の飛び散りを防げます。特に狭い場所では少し離れたところで開閉するなど、タイミングと場所に配慮することが大切です。

歩いているとき

傘を差して歩く際は、身体の中心で垂直に持つのが基本です。斜めに構えると後ろの人の視界を妨げたり、水滴が他人の服やバッグに垂れたりするリスクがあります。すれ違う際は、傘がぶつかったり水滴が飛び散ったりしないよう、相手と反対側に軽く傾けるのもマナーの一つです。ちょっとした心遣いが、「気配りのできる人」としての印象を高め、ビジネスシーンでも良い評価につながります。

屋内に入る前の扱い

訪問先ではエントランスに入る前に、必ず傘を閉じて水滴を丁寧に払い落とし、静かに入室するのが基本的なマナーです。傘の水滴で床が濡れると滑りやすくなり、思わぬ事故につながる恐れがあるため、訪問先への配慮として欠かせません。エントランスや建物の外に傘立てが設置されている場合は、迷わず利用し、周囲に迷惑をかけないように心がけましょう。

屋内での扱い

傘立てが見当たらない場合や、屋内に傘を持ち込む必要がある際は、訪問先の方に置き場所を尋ねるのが丁寧な対応です。一言「どこに置けばよいでしょうか」と声をかけるだけで、相手への印象がぐっと良くなります。勝手にイスや壁に立てかける行為は濡れている部分が接触してしまい、汚れやシミの原因になるため避けましょう。

【訪問先の方に声をかけるときの例】

服やアイテムを防水仕様のものにする

雨に濡れると訪問先での印象が悪くなる恐れがあることに加え、風邪など体調不良の原因にもなります。対策としては、雨の日の出張用に防水仕様のスーツやカバン、靴を用意しておくのがおすすめです。これにより濡れを防ぎ快適に過ごせるだけでなく、タオルや着替えの準備も減らせるため、移動時の負担も軽減できます。

予備の靴下やストッキングを多めに用意する

長期間の出張や雨予報が続く場合は、予備の靴下やストッキングを多めに持参するのがおすすめです。防水仕様の服や靴を着用していても足元が濡れてしまうことは多いため、荷物は多少かさばりますが着替えがあると快適に過ごせます。また、現地でコンビニ調達も可能なので荷物が多い場合は、臨機応変に対応していきましょう。